『VR THETER』一周年記念作品 “泣けるVR映画” 『交際記念日』をレポート!

皆さんは『VR THEATER』というサービスをご存知でしょうか?

インターピア株式会社が運営するこのサービス、全国のネットカフェ・カラオケ・ゲームセンター・ホテルなどの導入店舗にて、VRヘッドセットを借りて様々なVRムービーを楽しめるというもの。

わざわざ特別な施設に行かなくても近所のネットカフェなどで気軽にVR体験ができるというワケですから、まだまだ一般的には馴染みの薄い “VR” の普及という意味でも、とても社会的意義があるサービスなのです。

 

……と、簡単な説明をしたところで。

 

その『VR THEATER』サービスの開始1周年を記念して製作された『交際記念日』。

 

 

日本初の泣けるVR映画と銘打たれて、メディア向け試写会が都内某所にて行われました。

実際に製作にあたった窪田崇監督と主演女優の武田玲奈さんの舞台挨拶もあるということで、胸を熱くさせながら取材に行ってきましたよ!

もちろん取材だけじゃなく実際に試写を鑑賞してきましたので、後ほど「交際記念日」の感想も少しだけお伝えしたいと思います。

会場にズラリと用意されたVRヘッドセット『Gear VR』

実際に会場に行って目に付いたのは、試写用に準備されたVRヘッドセット『Gear VR』がズラリと並ぶ光景でした。

試写会といっても今回試写する映画はVR映画ですから、通常の映画のように全員で一つのスクリーンを観るのではなく、各々がそれぞれヘッドセットを装着して鑑賞するわけです。

VRコンテンツなので当たり前のことなのですが、なかなか未来感溢れる印象を受けてしまいましたね。

『VR THEATER』サービスの概要を説明する篠崎文剛氏

試写会が始まると、まずは『VR THEATER』を運営するインターピア株式会社VR推進プロジェクト統括リーダーの篠崎文剛氏が登壇し、会場向けに『VR THEATER』のサービス概要が説明されました。

その後、篠崎氏と入れ替わりで、今作『交際記念日」の製作にあたった窪田崇監督と主演女優の武田梨奈さんが登壇。

会場では一斉にカメラのフラッシュが瞬き、舞台挨拶に臨む二人を迎えました。

 

「交際記念日」の製作にあたった窪田崇監督

窪田監督の口からは「とにかくスタッフが写り込まないようにするのが大変で、別室にwifiで映像を飛ばして撮影したり、隠れる場所がない校庭のシーンでは監督不在で役者自らスタートを切ってもらって撮影しました」と、360° 撮影するカメラを使うVR作品ならではのエピソードが。

 

また、VRならではの臨場感や空気感を感じてもらうために、普段友達と話すような自然な演技になるよう演出したとのこと。

 

制服姿が眩しい主演の武田玲奈さん

主演の武田玲奈さんは「普段の撮影と勝手が違うので難しかったんですが、とてもキラキラした映画になりました。私は携帯で見たんですが、ちょっと泣いちゃいました。VRで見たらもっと泣けると思います」とアピール。

両者とも「一人でも多くの皆様に見ていただけたら幸いです」と締めくくって舞台挨拶を終えました。

せっかくなので筆者も実際に「交際記念日」を鑑賞してみましたよ

試写会参加者一人一人にVRヘッドセット『Gear VR』が配られました。

『VR THEATER』1周年記念作品『交際記念日』は、高校卒業を迎える男子生徒(西銘駿)が交際していた同級生(武田玲奈)を追想するところから始まる、高校生の淡く切ない恋をVR映像で鮮やかに描いた15分のショートフィルム。

映画の感想VRコンテンツとしての感想を少しだけ書かせて頂きます。

VRコンテンツとしての感想

ヘッドトラッキング機能のあるVRヘッドセットですから、映画の中の世界でも鑑賞者は360° 全てを見渡すことができます。

しかし、この作品の主題である男子高校生と女子高校生の淡くて切ない恋の物語は、自分が空を眺めていようが、二人に背を向けて反対側を向いていようが、声だけを残して進行していきます。

360° の視界があったとしても、映画として楽しむためには自分の意思で登場人物を視界に入れていかなければなりません。

この点が少し、普通の映画のつもりで見ていると戸惑うところかも知れないですね。

 

先に挙げた点はまさにVRならではの要素ですが、映画ならではの要素として、シーンごとにカメラの位置が変わるという演出があります。

鑑賞している自分の映画世界内での視点が、時に男子生徒の視点だったり、時に空中からの「三人称視点」だったりします。

今までのような、鑑賞者をVR空間の参加者にする「一人称視点」だけで臨場感や迫力、恐怖などを与えてきたVRコンテンツとはまるで方向性の違う表現だなと、筆者は感じました。

 

物語が進んでいくのは映画ですから当たり前のことですし、シーンごとにカメラの位置が違うのも、スクリーンで上映するタイプの映画なら何も気にもならない演出です。

しかし、登場人物に介入できない無力感や孤独感のようなものを、リアルなVR映像に加えて、自分から登場人物を追いかけるように視野に入れて鑑賞する能動性も相まって、より強く感じてしまうんですよね。

これは “VR映画” だからこそ得られた感覚なのかもしれません。

今までの映画はもちろん、今までのVRムービーでも得られなかった、なんだかとても新鮮な感覚を味わったVR体験でした。

 

交際記念日の感想

舞台挨拶の前にスクリーンへ映された予告編の段階で、感情移入過多で涙もろいタイプの筆者は「コレ、試写のとき泣いちゃうかも……」と、漢としての尊厳に危機感を感じ、「さすがに取材先で泣くところを見られるのは避けたいなぁ……」と身構えながら鑑賞したわけですが。

感想としては、確かに “泣けるVR映画” と銘打つだけあって、瑞々しくも懐かしさと感情的な気持ちを感じさせてくれる、日本映画らしい青春ショートムービーでした。

ネタバレになっても良くないのでボンヤリとした言い方をしますが、本作のようなストレートに涙腺を揺さぶってくるタイプの物語は、個人的に大好物なんです。

 

舞台となる学校……というか、高校生活の瑞々しさがギュンギュン感じられて、それはやっぱり心を刺激するわけで、筆者みたいなオッサンの胸も確かに切なくなりました。

うーん……しかし、筆者は涙が出るまでには至らなかったんですよね。

確かに「泣くわけにはいかない!」と身構えていた部分もあります。が、それだけではなく。

本作品が、“映画でもなく、VRアトラクションでもなく、VR映画だった” からこそ生じてしまった違和感があったように思うのです。

良くも悪くもVR映画だからこそ感じられてしまった少しばかりの違和感ゆえに、筆者はどうしても感情移入しきれず、泣くまでに至れなかったのでした。

先にVRコンテンツとしての感想で挙げたように、自分が空を眺めていようが、二人に背を向けて反対側を向いていようが、声だけを残して進行していきます。360° の視界があったとしても、映画として楽しむためには自分の意思で登場人物を視界に入れていなければなりません。

そして、映画の要素として、シーンごとにカメラの位置が変わるという演出があります。

鑑賞している自分の映画世界内での視点が、時に男子生徒の視点だったり、時に空中からの視点だったりします。

映画ならではのシーンが変わる演出とVRとが組み合わされた時、映画という映像表現が鑑賞者の心に残す感動と、VRという技術が鑑賞者の脳に与える臨場感とがうまく噛み合わず、結果として違和感としか感じられなくなってしまったように思うのです。

これは “VR映画” だからこそ得られた感覚なのかもしれません。
違和感の正体は、物語に参加していない無力感や孤独感といった感覚、ザックリとした言葉に言い換えると「置いてけぼり感」になるのでしょうか。

リアルなVR映像に加えて、自分から登場人物を追いかけるように視野に入れて鑑賞しなければいけない点も相まって、より顕著に感じてしまったんですよね。
で、涙が出るよりも前に、その「置いてけぼり感」に囚われてしまったのかなと、筆者は分析します。

とは言え。
とは言えですよ?
なんだかんだと書いてきた違和感とやらですが、それは今までの映画はもちろん、今までのVRコンテンツでも得られなかった、なんだかとても新鮮な感覚だったことは間違いありません。
もしかすると、VR黎明期でもある現在、鑑賞者側がまだまだこの感覚に付いていけてないだけなのかもしれないのです。

『VRが黎明期なら、当然VR映画も黎明期。』

製作者にとっての初めての試みは、鑑賞者にとっては当然、初めての感覚になるわけですからね。
よくよく考えると、とても贅沢な時代に生きているもんです。

少しだけと言いながら随分と長くなってしまいましたが、VRも映画も愛する筆者としては、今作を皮切りにどんどん新しいVR映画が製作されて欲しいなぁというのが結局のところの感想でして。
つまりは「これからのVR映画の未来が楽しみでならないよ!」と、そう実感した試写会取材でした!

日本初! 泣けるVR映画『交際記念日』は5月1日上映開始!

 

 

ということで今回、メディア向け試写会・舞台挨拶を取材した、窪田崇監督・武田玲奈主演の泣けるVR映画『交際記念日』は、5月1日より全国の『VR THEATER』導入店舗にて上映開始となります。

「『交際記念日』を観てみたいんだけど、どこのお店に導入されてるの?」と気になった方は、下記にリンクを用意していますので是非チェックしてみてくださいね。

『交際記念日』予告編

『交際記念日』オフィシャルサイト

『VR THEATER』オフィシャルサイト

『VR THEATER』導入店舗一覧